IBD専門外来
IBD専門医・指導医が専門的な治療を行うクリニック
清澄白河ファミリークリニックは、炎症性腸疾患(IBD)の専門的な診療を行っているクリニックです。
かつてIBDは、難病指定される比較的まれな病気とされていましたが、近年の統計によれば、全国で約40万人の方が罹患しており、もはや珍しい疾患ではなくなってきています。
院長は、筑波大学で研究医としてIBD患者様の診療に携わって以来、長年にわたり数多くのIBD患者様の治療に取り組んできました。現在は東京都江東区を中心に診療を行っておりますが、神奈川県、茨城県、福島県など、遠方からご来院される患者様も多数いらっしゃいます。
多くの患者様は、メサラジン製剤(5-ASA)に反応しない、あるいは副作用により使用が困難な、難治性IBDを抱えた方々です。一昔前までは、ステロイドによる治療が主流でしたが、現在では生物学的製剤やヤヌスキナーゼ(JAK)阻害薬など、さまざまな治療選択肢が登場しています。
当院では、IBDという複雑かつ多様な背景を持つ疾患に対して、これまで培ってきた知識と技術を活かし、最新の治療法を積極的に取り入れたオーダーメイド医療を実践しています。すべての患者様にとって最適な治療を提供し、難病で悩まれる方々の力となることを目指しています。
院長は、東京大学在籍時にはIBD患者様を対象とした大規模なコホート研究を行い、その成果により学位を取得しました。潰瘍性大腸炎やクローン病は、消化管に慢性的な炎症が持続する疾患であり、「いかにして炎症を消失させるか」は、現在の治療において最も重要なテーマの一つです。この分野における研究経験と実績が、日々の臨床に活かされています。
さらに、専門性の高い診療を継続するうえでは、知識や経験を蓄積するだけでなく、それらをエビデンスとして発信する活動も重要です。院長はこれまで、海外の学会での発表や、英語論文の発表などを通じて、IBD診療における知見を広く共有してまいりました。これらの活動は、当クリニックにおける診療の質向上にも直結しています。
今後も、IBDという難病に立ち向かう患者様の力となれるよう、専門的かつ温かみのある医療を提供してまいります。
患者様のライフスタイルを考えて、平日は19時、土曜日も診療
IBDは若い世代(10代後半から30代前半)に多い病気で、こうした若い世代の方々は勉強や仕事、子育てなどで忙しい毎日を送られています。
IBD患者様の多くは、大学病院などの基幹病院で通院されているケースが多いです。
しかしその基幹病院の多くは平日夕方以降や土曜日は休診です。
そのため、患者様の多くは平日受診しなければならず、学校や仕事を休んだり、有給休暇を消化したりしながら治療を受けています。
当院では患者様のライフスタイルに寄り添うよう、平日は19時まで、土曜日は午前まで診療しています。
IBD診療に関する豊富な選択肢
当院ではこれまで様々な治療薬をIBD患者様に提案してきました。
当院のIBD治療は特定の薬に偏りなく、患者様の症状に応じて処方するため内服から点滴まで幅広く致します。
メサラジン製剤
IBD診療の基本となる薬です。
腸管表面の自然免疫(好中球やマクロファージ、肥満細胞など)を抑えることで、炎症部に大量に集まる炎症細胞の浸潤を抑える効果があります。
代表薬剤
リアルダ、アサコール、ペンタサ顆粒
ステロイド
炎症細胞内に直接作用し、炎症蛋白の合成を阻害します。
さらに、抗炎症蛋白の合成を促進するため効率的に炎症を抑えることができます。
一方で、長期使用に伴う骨粗鬆症や潰瘍などの合併症に気を付けなければなりません。
当院では腸管だけ作用し、体内に残留しにくいタイプのステロイド(ブデソニド)を短期間だけ使用します。
代表薬剤
コレチメント、レクタブル
チオプリン製剤
炎症細胞のDNA合成や増殖を抑えることで、抗炎症作用を発揮する薬です。
この薬は白血球減少や脱毛などの副作用をみとめることがあるため、投与前に検査(NUDT-15検査)を行い、副作用発現リスクを評価してから処方します。
代表薬剤
イムラン
カロテグラストメチル(カログラ)
2022年に登場した新しいタイプの内服薬です。
多くの治療薬は炎症細胞から発現する炎症性サイトカインを抑えますが、このカログラという薬は炎症細胞の侵入そのものを抑えます。
また、効果発現までの時間が比較的短いという特徴もあり、速やかに寛解導入を行いたいときに効果的です。
当院ではカログラの使用実績が豊富であり、適切な使い方やタイミングについて御提案致します。
生物学的製剤
2000年代から生物学的製剤が登場し、IBD治療のゴールは症状を改善させるのではなく、腸管の炎症そのものをなくす粘膜治癒を目指すことが可能となりました。
当院では以下の薬剤を用いて、患者さん一人ひとりに合わせたオーダーメイド治療を図っています。
- 抗TNFα製剤:IBDは様々な炎症性サイトカインが関与しているといわれています。
最も関与しているサイトカインの代表例がTNFαです。
このTNFαが細胞内に入るとシグナル伝達によって、慢性炎症をもたらすことから様々な抗TNFα製剤が登場しております。
代表薬剤
ヒュミラ、シンポニー
- 抗IL-23製剤:IL-23は炎症性サイトカインの一種で、リンパ球の活性化を促し、慢性炎症へとつながります。
IL-23はTh17細胞(ヘルパーT細胞の一種)の維持と活性化に関与しており、IL-23の影響を無くすことで、長期にわたる寛解維持を図ることができます。
代表薬剤
オンボー、スキリージ、ステラーラ
JAK阻害薬
JAKはサイトカイン受容体を介した細胞内シグナル伝達に関わる酵素ファミリーで、JAK1、JAK2、JAK3、TYK-2があります。
これらのサイトカインが結合するとJAK-STAT経路を活性化し、慢性炎症を引き起こします。
このJAK-STAT経路はIBDの炎症経路と密接に関連していることが知られており、IBDの慢性炎症に関連する経路を幅広く抑えるのが特徴です。
当院ではJAK阻害薬を患者さんの症状に応じて、適切に使い分けています。
代表薬剤
リンヴォック、ジセレカ、ゼルヤンツ
IBD診療に関するセカンドオピニオン
潰瘍性腸疾患やクローン病は難病に指定されていることからもわかる通り、治療が非常に難しい病気です。
多くの方は一般的な治療で寛解しますが、なかにはなかなか効果が得られない難治の患者様がおられます。
難治性のIBD患者様を診療する際に重要となるのがこれまで数多くの難治症例を診てきた知識と経験です。
当院では多くの難治性IBD患者様を診療しただけでなく、データを検証しエビデンスとして示してきました。
もし今、治療を受けても効果がみられないようであれば、一度当院でお悩みを伺い最善の治療を提案いたします。
一度お気軽にご連絡ください。