HPVワクチン接種について
当院では、HPVワクチン(子宮頸がん予防ワクチン) の定期接種およびキャッチアップ接種を実施しています。
HPVワクチンは、子宮頸がんの原因となるヒトパピローマウイルス(HPV)の感染を予防するために非常に重要なワクチンです。子宮頸がんは20代後半から30代の女性に増えており、若い世代でも発症する可能性があります。ワクチンで感染を予防することで、将来の子宮頸がん発症リスクを大幅に下げることができます。
HPVワクチン接種の対象と制度について
定期接種の対象
小学6年生から高校1年生相当(満12歳~16歳)の女子が公費(無料)で接種できます。接種できる期間が限られていますので、対象年齢になったら早めの接種をおすすめします。
キャッチアップ接種
過去に制度上の理由で接種機会を逃した方(平成9年度~平成18年度生まれの女性)が対象です。2025年3月までに1回でも接種を開始した場合、2026年3月末まで公費で残りの接種を完了できます。まだ接種していない方は、ぜひ早めにご相談ください。
HPVワクチンの効果
HPVには100種類以上の型があり、そのうち一部の型(特に16型、18型など)が子宮頸がんの原因になります。
HPVワクチンを接種することで、子宮頸がんの原因の約60~70%を予防できるとされています。さらに、尖圭コンジローマなどの性感染症の予防効果も期待できます。
現在使用されている9価ワクチン(シルガード9)では、子宮頸がんの原因の約90%をカバーすると報告されており、より幅広い予防効果が得られます。
ワクチン接種をしない場合に起こり得ること
HPV感染自体は特別な症状を出さないことも多く、多くの人が自然に治癒します。しかし、一部では感染が持続し、前がん病変を経て子宮頸がんに進行することがあります。
子宮頸がんになった場合
- 子宮を一部切除する手術が必要になることがあり、将来の妊娠・出産に影響が出る可能性があります。
- 若い世代での発症もあり、進行が早いタイプでは命に関わることもあります。
- 治療後も長期間の経過観察が必要になり、身体的・精神的な負担が大きくなります。
このようなリスクを避けるためにも、予防できる時期に接種を完了しておくことがとても大切です。
接種スケジュールについて
- 15歳未満で接種を開始した場合は 2回接種(初回と6か月後)
- 15歳以上で接種を開始した場合は 3回接種(初回、2か月後、6か月後)
当院では、患者さん一人ひとりの年齢やスケジュールに応じて最適な接種プランをご案内しています。学校行事や部活動と重ならないよう、平日夕方や土曜日の予約も調整可能です。
安全性について
HPVワクチンは、世界で長年にわたり多くの方に接種されてきた実績があります。接種後に腕の痛みや発熱といった軽度の副反応が出ることはありますが、重篤な副反応はまれであり、ワクチンの効果と比べてリスクは非常に小さいとされています。
厚生労働省や世界保健機関(WHO)も、HPVワクチンの安全性と有効性を認めています。
当院からのメッセージ
子宮頸がんは、予防できるがんです。
HPVワクチンを接種することで、将来の健康と安心を守ることができます。
- 接種できる年齢には「期限」があるため、対象年齢の方は早めの接種をおすすめします。
- ご不安な点やご質問がある場合は、医師が丁寧にご説明いたします。
ご予約お電話にて承っております。お気軽にご相談ください。
HPVワクチン接種についてのポイント
- HPVワクチンは子宮頸がんの予防に高い効果があります
- 定期接種は小6~高1相当が対象(無料)です
- キャッチアップ接種も2026年3月まで継続中です
- 接種しない場合は子宮頸がんのリスクが残ります
- 安全性は確立されており、WHOも推奨しています
