溶連菌
子どもの「溶連菌感染症」を徹底解説
保護者の皆様、子どもが「喉が痛い」と訴えて、病院で「溶連菌感染症」と診断されることがあるかもしれません。
特に、赤い発疹やいちご舌といった特徴的な症状に、不安を感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
当院では、溶連菌感染症の適切な診断と治療を行っております。
子どもの「溶連菌感染症」って、どんな症状?
溶連菌感染症は、A群β溶血性レンサ球菌という細菌によって引き起こされる感染症です。
主に喉に感染し、以下のような症状が現れます。
- のどの強い痛み:特に飲み込むときに痛みを強く感じることがあります。
- 熱:発熱を伴うことが多いです。
- 赤い発しん:特に体や手足に、小さい赤いブツブツとした発疹が出ることがあります。
- 舌がぶつぶつになる(いちご舌):舌の表面が赤く、ブツブツとしたいちごのような見た目になることがあります。
- リンパ節の腫れ:首のリンパ節が腫れて、触ると痛むことがあります。
- 小さい子の場合:鼻水や咳が出る子もいます。
「溶連菌感染症」はどうやってわかるの?
子どもが溶連菌感染症の症状を呈して受診された場合、当院では迅速検査を行うことがあります。
- のどの検査(ぬぐい液):綿棒で喉の奥をぬぐって検体を採取し、溶連菌の有無を調べます。
- 結果が出るまで:当院では10分ほどで結果が出ます。
この迅速検査によって、短時間で診断を確定し、適切な治療へと移行することができます。
「溶連菌感染症」はどうやって治すの?
溶連菌感染症は細菌による感染症のため、抗菌薬(抗生物質)による治療が必要です。
お薬でつらい症状をやわらげながら、体の力で治していきます。
症状が改善しても、抗菌薬は指示通りに最後まで飲み切ることが非常に重要です。
これは、病気をしっかりと治し、後述する合併症を予防するためです。
主な抗菌薬には以下のようなものがあります。
| 薬剤名 | 投与方法 | 投与期間 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| アモキシシリン(サワシリン、パセトシンなど) | 経口 | 10日間 | 味がよく服薬しやすい。 第一選択薬。 用量:50 mg/kg/day 分2~3 |
| フェノキシメチルペニシリンカリウム(ワイドシリン) | 経口 | 10日間 | ペニシリン系。 用量:50 mg/kg/day 分2~3 |
| セファレキシン(ケフレックス) | 経口 | 10日間 | 第1世代セフェム。 ペニシリンと交差アレルギーに注意。 用量:50 mg/kg/day 分2~4 |
| クラリスロマイシン(クラリス) | 経口 | 10日間 | ペニシリンアレルギーが疑われる場合に使用。 マクロライド系。 耐性菌が増えており注意が必要。 用量:15 mg/kg/day 分2 |
| アジスロマイシン(ジスロマック) | 経口(1日1回) | 3日間 | 長時間作用型。 服薬コンプライアンスが良好。 用量:10 mg/kg/day 分1 |
| セフジトレンピボキシル(メイアクト) | 経口(1日3回) | 5-7日間 | 腸管からの吸収率が悪いのと、低カルニチン血症から低血糖になるリスクがあるため、ほとんど使用しません。 |
※医師が症状やアレルギーの有無を考慮し、適切な薬剤と投与期間を決定します。
どんな時に病院に行った方がいいの?受診の目安
以下のような症状が見られた場合は、早めに当院にご相談ください。
- のどがとても痛い :痛みが強く、食事や水分摂取が困難な場合。
- 熱が出た :発熱を伴う場合。
- 発しんが出た :体に赤い発疹が出た場合。
- その他:舌がいちごのようになった、首のリンパ節が腫れているなど、特徴的な症状が見られる場合。
溶連菌感染症、特に気をつけたいこと
溶連菌感染症は、お薬が効けばすぐに解熱し、症状も改善することがほとんどです。
しかし、症状が改善しても自己判断で抗菌薬の服用を中断せず、医師の指示通りに最後まで飲み切ることが非常に重要です。
これは、以下の合併症を予防するためです。
- 溶連菌感染症後急性糸球体腎炎:日本では非常にまれですが、治ったと思った数週間後に腎臓の合併症を起こす方がいます。
治療後に顔のむくみや血尿が見られた場合は、すぐに再受診してください。 - リウマチ熱:こちらも日本では非常にまれな合併症ですが、心臓などに影響を及ぼすことがあります。
また、感染を広げないために、以下の点にも注意しましょう。
- 登園・登校の目安:24時間以上抗菌薬を内服し、医師の判断により登園・登校が可能となります。
- 手洗いの徹底:感染力が強いため、手洗いをこまめに行い、タオルなどの共用は避けましょう。
清澄白河地域にお住まいの皆様が、子どもと健やかに過ごせるよう、当院は子どもの健康を全力でサポートいたします。
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