食物アレルギー
食物アレルギーとは
食物アレルギーとは、本来、私たちの体にとって栄養となり、無害であるはずの食べ物（に含まれるタンパク質）を、体の免疫システムが「敵」と勘違いして、攻撃してしまう反応のことです。
この攻撃の際に、免疫細胞からヒスタミンなどの化学物質が放出されます。
このヒスタミンが、皮膚のかゆみやじんましん、咳、腹痛といった、全身の様々なアレルギー症状を引き起こします。
どんな症状？皮膚・呼吸器・消化器…全身のサイン
食物アレルギーの症状は、原因となる食物を食べてから、多くは数分～2時間以内に現れます。
症状は一箇所だけでなく、複数の場所に同時に出ることもあります。
皮膚症状（最も多い）
じんましん、体のかゆみ、皮膚の赤み、まぶたや唇の腫れ、アトピー性皮膚炎の悪化など。
呼吸器症状
しつこい咳、くしゃみ、鼻水、声のかすれ、息が苦しくなる、「ゼーゼー」「ヒューヒュー」という呼吸音（喘鳴）など。
消化器症状
腹痛、吐き気、嘔吐、下痢、血便など。
粘膜症状
目のかゆみや充血、口の中や喉の違和感・かゆみなど。
これらの症状が見られた場合は、食物アレルギーの可能性があります。
最も警戒すべき「アナフィラキシー」とは？
食物アレルギーで最も怖いのが、「アナフィラキシー」と呼ばれる、重篤なアレルギー反応です。
アナフィラキシーは、皮膚、呼吸器、消化器といった複数の臓器に、全身性に、そして急激に激しいアレルギー症状が現れる、非常に危険な状態を指します。
さらに、血圧が低下し、ぐったりして意識がもうろうとするような状態を「アナフィラキシーショック」と呼び、これは命に関わるため、一刻も早い対応が必要です。
アナフィラキシーを疑うサイン
- ぐったりして元気がない
- 繰り返し吐き続ける
- 呼吸が苦しそう、ゼーゼーしている
- 意識がはっきりしない
このような症状が見られたら、ためらわずに救急車を呼び、もし処方されていれば、後述する緊急用補助治療薬「エピペン®」を使用してください。
食物アレルギーに関するご相談は、清澄白河ファミリークリニックへ。
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清澄白河ファミリークリニックでの診断
自己判断で食事制限を始める前に、まずは専門家による正確な診断を受けることが何よりも重要です。
詳細な問診
「いつ、何を、どれくらい食べて、何分後に、どんな症状が、どれくらい続いたか」という具体的な情報が、原因を特定する最大のヒントになります。
スマートフォンで症状や食べ物の写真を撮っておいたり、簡単な食事日記をつけたりしておくと、診察が非常にスムーズに進みます。
血液検査（特異的IgE抗体検査）
どの食べ物に対してアレルギー反応を起こしやすい体質（感作されている状態）かを、少量の採血で調べる検査です。
ただし、この検査で数値が高いからといって、必ずしも食べると症状が出るとは限りません。
あくまで診断の参考情報であり、結果の解釈には専門的な判断が必要です。
当院では食物と環境因子を合わせたView 39という計39種類のアレルゲンを調べる検査を行っています。
食物経口負荷試験（専門医療機関と連携）
アレルギーが疑われる食物を、安全が確保された医療機関に入院または外来で、医師の厳重な監視のもと、実際に少量から段階的に食べてみて、症状が出るかを確認する検査です。
原因を確定したり、安全に食べられる量を確認したりするための、最も確実な診断法です。
当院では、この検査が必要と判断した場合、適切な専門医療機関へご紹介いたします。
食物アレルギーの治療と管理
診断後の治療と管理は、主に以下の2本柱で行います。
原因食物の「必要最小限」の除去
正確な診断に基づき、原因と確定した食物だけを除去することが基本です。
「怖いから」「念のため」という理由で、疑わしい食品をあれもこれもと除去してしまうことは、お子様の成長に必要な栄養が不足したり、食べることへの楽しみを奪ったりするだけでなく、かえってアレルギーを克服する機会を失うことにも繋がります。
医師の指導のもと、正しい除去を行いましょう。
アナフィラキシーへの備え「エピペン®」
アナフィラキシーを起こしたことがある、またはそのリスクが高いと判断された患者様には、緊急時にご自身や保護者の方が注射する「エピペン®」というお薬を処方します。
これは、アナフィラキシーの症状の進行を一時的に緩和し、病院へたどり着くまでの時間を稼ぐための「命のお守り」です。
当院では、エピペン®の処方とともに、いざという時にためらわずに、そして安全に使えるよう、保護者の方やご本人への丁寧な使用方法の指導も行っています。
食べられる範囲を安全に広げていくアプローチ
かつては「アレルギーの原因食物は、完全に除去する」のが常識でした。
しかし現在では、医師の指導のもと、安全な範囲で少量ずつ食べることで、体がその食べ物に慣れて、食べられるようになる（経口免疫寛容）という考え方が主流になっています。
ただし、これは専門医の厳密な管理下で行われる「治療」の一環です。
ご家庭で自己判断で試すのは、アナフィラキシーを誘発する大変危険な行為ですので、絶対におやめください。
速やかに専門機関に紹介いたします。
患者さんへ
食物アレルギーは、正しい診断と、それに基づく適切な管理が何よりも大切な病気です。
自己判断は、時に不必要な食事制限に繋がり、お子様やご自身の心と体に負担をかけてしまう可能性があります。
当院はアレルギーに悩むお子様から大人まで、一人ひとりの不安な気持ちに寄り添い、正確な診断と、最新の知見に基づいた管理・指導を行う「アレルギーのかかりつけ医」として、皆さまをサポートすることをお約束します。
まずはお気軽にご相談ください。
