頭痛
頭痛のタイプ
頭痛は、大きく2つのカテゴリーに分けられます。
一次性頭痛(慢性頭痛)
頭痛そのものが病気であり、脳の画像検査などでは異常が見つかりません。
命に別状はありませんが、繰り返し起こり、私たちの日常生活に大きな影響を与えます。
日本人が悩む頭痛のほとんどがこのタイプで、主に「片頭痛」と「緊張型頭痛」があります。
二次性頭痛
くも膜下出血、脳腫瘍、髄膜炎など、他の病気が原因で起こる頭痛です。
原因によっては命に関わるため、絶対に見逃してはならない頭痛です。
一次性頭痛の二大巨頭:「片頭痛」と「緊張型頭痛」
あなたの「いつもの頭痛」は、どちらのタイプに近いでしょうか?
片頭痛
ズキンズキンと脈打つような、比較的強い痛みが特徴です。
痛み方
「ズキンズキン」「ガンガン」と脈打つように、中等度~重度の痛みが襲う。
随伴症状
吐き気や、実際に嘔吐してしまうことが多い。
光や音に過敏になり、普段は気にならない刺激がつらく感じる。
日常生活
体を動かすと痛みが悪化するため、発作中は暗い、静かな部屋でじっとしていたくなる。
緊張型頭痛
頭全体が締め付けられるような、重苦しい痛みが特徴です。
痛み方
「ギューッと締め付けられる」「圧迫される」ような重苦しい痛みがダラダラと続く。
随伴症状
肩や首の強いこりを伴うことが多い。
吐き気はまれ。
日常生活
つらいが、寝込むほどではなく、仕事や家事はなんとかこなせる。
入浴やマッサージで楽になることがある。
このように、対処法が異なるため、ご自身の頭痛のタイプを正しく知ることが、治療の第一歩となります。
重要 危険な頭痛のサイン
ほとんどの頭痛は一次性頭痛ですが、以下の特徴を持つ頭痛は、危険な二次性頭痛の可能性があります。
ご自身だけでなく、ご家族にこのような症状が見られた場合も、すぐに行動してください。
- 突然、バットで殴られたような、これまでに経験したことのない激しい頭痛
- 手足の麻痺やしびれ、ろれつが回らない、物が二重に見えるといった神経症状を伴う
- 50歳以降になって、初めて経験する頭痛
- いつもと違うパターンの頭痛、日を追うごとにどんどん悪化していく頭痛
- 高熱や、うなじの硬直(首が硬くて前に曲げにくい)を伴う頭痛
- 意識がもうろうとする、けいれんを起こした
これらのサインが一つでも見られた場合は、ためらわずに、すぐに医療機関を受診してください。
状況によっては、救急車の要請も必要です。
頭痛でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
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当院の頭痛の診療
当院は、あらゆる症状の悩みの「最初の相談窓口」として、患者様一人ひとりに寄り添った診療を心がけています。
丁寧な問診による「頭痛の診断」
「いつから、どんな痛みが、どんな頻度で、どんな時に起こるか」といった、あなたのお話が診断のための最も重要な情報です。
私たちは、お話をじっくり伺うことを何よりも大切にしています。
ご自身の頭痛のパターンを把握するため、「頭痛ダイアリー」をつけてみることもお勧めしています。
「危険な頭痛」の鑑別
これが、私たちかかりつけ医の最も重要な役割の一つです。
丁寧な診察を通じて、命に関わる二次性頭痛の可能性がないかを慎重に見極めます。
もし少しでも疑いがあれば、速やかにCTやMRIなどの画像検査が可能な地域の基幹病院へご紹介いたします。
タイプに合わせた「治療」
- 片頭痛には、 市販薬では効きにくい片頭痛に特化した特効薬(トリプタン製剤など)の処方や、発作の頻度自体を減らすための予防治療のご提案など、専門的な治療を行います。
- 緊張型頭痛には、 鎮痛薬の適切な使い方を指導するとともに、薬だけに頼らず、根本原因となる筋肉のこりを和らげるためのストレッチや生活習慣の改善指導に力を入れます。
- 薬物乱用頭痛からの脱却サポート
市販薬の飲み過ぎで、かえって毎日頭痛が起きる「薬物乱用頭痛」に陥っている方も少なくありません。
その悪循環を断ち切るため、適切な薬物管理をサポートします。
患者さんへ
頭痛の程度は個人差が大きく、治療アプローチも様々です。
当院では患者さんのライフスタイルに応じてアセトアミノフェンやNSAIDsのような鎮痛薬、トリプタン製剤のような特効薬、予防薬として有効な漢方薬などを組み合わせ、より良い生活をサポートいたします。
