花粉症(アレルギー性鼻炎)
花粉症(アレルギー性鼻炎)とは
花粉症(アレルギー性鼻炎)とは、花粉やハウスダストといった、特定のアレルギー原因物質(アレルゲン)が鼻の粘膜に付着することで、体がこれを異物とみなし、過剰な防衛反応を起こしてしまう病気です。
この反応によって、くしゃみでアレルゲンを吹き飛ばそうとしたり、鼻水で洗い流そうとしたり、鼻づまりで中に入れないようにしたりする症状が現れます。
原因となるアレルゲンの種類によって、主に2つのタイプに分けられます。
季節性アレルギー性鼻炎(花粉症)
スギ(2~4月)、ヒノキ(3~5月)といった春の花粉が有名ですが、初夏にはカモガヤなどのイネ科植物、秋にはブタクサやヨモギといった、様々な植物の花粉が原因となります。
特定の季節にだけ症状が現れるのが特徴です。
通年性アレルギー性鼻炎
家のホコリ(ハウスダスト)や、そこに潜むダニの死骸やフン、ペットの毛やフケ、ゴキブリ、カビなどが原因で、一年を通して症状に悩まされます。
特に朝起きた時に症状が強い、という方が多くいらっしゃいます。
アレルギー検査について(原因を知ることが重要です)
「自分はいったい何に反応しているのだろう?」と疑問に思う方も多いでしょう。
原因アレルゲンを特定することは、効果的な対策や治療法を選択する上で非常に重要です。
当院では、簡単な血液検査(特異的IgE抗体検査)で、スギ、ダニ、ネコ、イヌなどの環境アレルゲン、エビ、カニ、小麦などの食物アレルゲンなどに対するアレルギーの有無やその程度を最大39種類調べることができます(View 39検査)。
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治療法
当院では、患者様の症状の強さやライフスタイル、そして治療へのご希望をお伺いしながら、最適な治療法を一緒に考えていきます。
治療には大きく分けて2つのアプローチがあります。
対症療法(今のつらい症状をしっかり抑える治療)
今あるくしゃみ・鼻水・鼻づまりを、お薬の力で和らげる治療法です。
抗ヒスタミン薬(飲み薬)
アレルギー症状を引き起こす「ヒスタミン」という物質の働きをブロックする、アレルギー治療の基本となるお薬です。
近年は、眠気などの副作用が少ない「第二世代抗ヒスタミン薬」が主流となっており、安心して服用いただけます。
点鼻ステロイド薬
鼻の粘膜の炎症を直接、強力に抑えるスプレータイプの薬です。
効果が非常に高く、特に鼻づまりでお困りの方には第一選択となります。
正しく使えば全身への副作用はほとんどなく、安全性の高いお薬です。
その他
症状に合わせて、鼻づまりを改善する薬や、目のかゆみを抑える点眼薬などを組み合わせて処方します。
根治療法(アレルギー体質そのものを改善し、治癒を目指す治療)
これが、近年のアレルギー治療における大きな進歩です。
『舌下免疫療法(ぜっかめんえきりょうほう)』
これは、アレルギーの原因となっているアレルゲンを、治療薬として毎日少量ずつ、舌の下(舌下)に含んで体に吸収させることで、体をアレルゲンに徐々に慣らしていき、アレルギー反応そのものを起こしにくくする治療法です。
対象アレルゲン
現在、保険適用で治療が可能なのは「スギ花粉」と「ダニ」の2つです。
スギ花粉はシダキュア、ダニはミティキュアという薬があります。
数に制限がありますので、希望される方はお問い合わせください。
期待できる効果
- アレルギー症状が大幅に改善し、シーズン中も快適に過ごせるようになる。
- 服用するアレルギー薬の量を、大幅に減らすことができる。
- 長期間(3~5年)継続することで、治療終了後も効果が持続し、根本的な治癒も期待できる。
実際の治療
最初の1回はクリニックで服用しますが、その後はご自宅で毎日1回、舌の下にお薬を置くだけです。
痛みもありません。
当院では、この舌下免疫療法の相談から治療開始、そして数年間にわたる維持まで、一貫してサポートいたします。
「毎年、花粉症の薬を飲む生活から解放されたい」「鼻炎の根本治療に興味がある」という方は、ぜひ一度ご相談ください。
花粉症の注射治療について(ノイロトロピン・ゾレア)
当院では、従来の抗アレルギー薬、点眼・点鼻薬だけでは十分に症状が抑えられない患者様に対して、注射による治療の選択肢をご提案しています。
- ノイロトロピン注射
ノイロトロピンは、ワクシニアウイルスを家兎(ウサギ)の炎症皮膚組織に接種し、抽出・精製した活性物質です。
- 特徴: 自律神経のバランスを整え、アレルギー症状(鼻水、鼻づまり、くしゃみなど)や皮膚の痒みを抑制する効果が期待できます。
- メリット: 長年使用されている薬剤で、一般的に副作用が少なく安全性が高いとされています。他の内服薬とも併用可能です。
- 治療頻度: 症状が強い時期に、週に1〜2回程度の通院で注射を行います。
- 費用:3割負担で1回500円〜1,000円程度です。
- ゾレア(抗IgE抗体製剤)
ゾレア(一般名:オマリズマブ)は、2020年からスギ花粉症への保険適用が開始された、重症・最重症の患者様向けの最新治療薬です。
- 特徴: アレルギー反応の根本的な原因となる「IgE抗体」そのものをブロックし、ヒスタミンの放出を上流から抑えます。
- 対象となる方:
- 従来の治療(内服薬・点鼻薬など)を行っても効果が不十分な方
- 血液検査で一定のIgE値が確認され、スギ花粉抗原が陽性の方
- 12歳以上で、重症または最重症のスギ花粉症と診断された方
- メリット: これまでの薬で改善しなかった劇的な症状の軽減が期待でき、労働生産性や生活の質の向上に寄与します。
- 頻度と費用: 薬剤費が高額になるため、ノバルティスの公式サイト 等で自己負担額の目安を確認することをお勧めします。投与は2週間または4週間おきに行います。3割負担で1か月あたり約3,500円〜52,000円です。
花粉症(アレルギー性鼻炎)のセルフケア
お薬による治療と並行して、ご自身でできる対策も非常に重要です。
基本は、原因アレルゲンを「吸わない・持ち込まない・除去する」ことです。
花粉症の場合
花粉の飛散が多い日は不要な外出を避け、外出時はマスクやメガネを着用しましょう。
帰宅時には、玄関前で衣服や髪についた花粉をよく払い、すぐにうがい・洗顔をすると効果的です。
通年性の場合
こまめな掃除機がけと、濡れた雑巾での拭き掃除が基本です。
特に、ホコリやダニが溜まりやすい寝室は念入りに行い、寝具に防ダニカバーを使用するのもお勧めです。
患者さんへ
アレルギー性鼻炎による、くしゃみ、鼻水、鼻づまりが続くと、集中力や睡眠の質を低下させる決して見過ごせない病気です。
アレルギー性鼻炎は、抗アレルギー薬を中心に適切な薬物療法で症状を快適にコントロールでき、さらには「舌下免疫療法」によって根本的な治癒も目指せる時代になっています。
是非、御相談ください。
